人体解剖学

解剖学の知識向上のためのオンラインリソースベスト6

  • Marina Chane
  • 2019/09/16
  • 2022/04/14に更新

解剖学の知識は、患者の診断や医療実践においてきわめて重要です。また、放射線医学学習の基礎をなします。

解剖学の理解は、なによりもまず患者の診断や医療実践においてきわめて重要です。さらに、医用画像やX線解剖の読影・分析を学ぶことは放射線科医にとって欠かせないものであり、放射線医学学習の基礎をなすものです。

比較表:医用画像を用いたオンライン解剖アトラス6選

オンラインで利用可能な6つの解剖アトラスを、長所・短所を含め比較しました。解剖学の知識向上のために役立てていただければ幸いです。評価基準は以下の通りです:

  • コンテンツが充実しているか、網羅的であるか(医用画像、注釈、言語)
  • 学術文献における引用数を参考に、内容が正確であるかどうか、信頼を得ているかどうか

2019年7月時点:

 STATdxe-AnatomyImaging anatomyRadiopaediaVisible BodyAnatomy.tv Primal's 3D atlas of human anatomy
画像数NA13 4864 1972 487主に3D主に3D
CTNA5 0062 9852 05818 
MRNA4 3991 06381767
CRNA60014966  
その他NA3 841429348  
解剖学的構造NA6 7043 5441 8456 0006 000以上
注釈NA669 66524 6351 8452716 000
引用数 - 学術的な出版物*14170201010
言語1:英語10: 英語、スペイン語、ポルトガル語、
イタリ語、ドイツ語、フランス語、中国語
(簡体)、日本語、ロシア語、ポーランド語
1: 英語1: 英語7: 英語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、
フランス語、中国語(簡体)、日本語
1: 英語
個人サブスクリプション料金$ 2 300 / 年$ 74,99  / 年無料無料$ 24,99 買い切り$ 945  / 年

* 2015年以降の論文あるいは書籍(ウェブサイトを除く)における、解剖学、解剖学・放射線医学学習(病理学、症例レポートを除く)に関連する引用の数(Google Scholarを利用)

あなたにぴったりな人体解剖アトラスは?

解剖学を学ぶにあたっては、それぞれのウェブサイトを補完的に用いるのが良いでしょう。Visible BodyとAnatomy.tvは、人体解剖の知識を深めたい場合に有用です。STATdxは、鑑別診断において強みを持っています。e-Anatomyは、解剖学と医用画像の分野において非常に網羅的なオンラインリソースのひとつです。Radiopaediaは、放射線医学に関する論文や症例などの情報が豊富です。

この中から自分のニーズに合っているものを使うか、精度や医用画像についての自分のニーズを鑑みた上で複数のリソースを組み合わせて使うのが一番です。

各製品の詳細について見ていきましょう。

放射線医学における解剖学の重要性

Anatomy should rightly be regarded as the firm foundation of the whole art of medicine and its essential preliminary.” Andreas Vesalius, De humani corporis fabrica (1543).

「解剖学は、当然のことながら、医術全体の堅固な基礎として、またその不可欠な前提としてみなされるべきである」アンドレアス・ヴェサリウス『ファブリカ』(1543年)。

とはいえ、実践しながら学ぶことは容易ではありません!X線解剖学は複雑かつ情報量が膨大なため、放射線科医や放射線科の研修医が全てを暗記するというのは現実的ではありません。また、現在ではCT・MRIなどの医用画像上で細かいディティールが観察できるようになったため、そのための的確なレファレンスを見つけるのがより難しくなっています。

オンラインX線解剖アトラスの詳細情報

  • STATdx:
    STATdxは、放射線科医が診断や判断を行うのに役立つオンラインツールです。利用者は複数の医師により共同で集められた臨床経験データ・知識にアクセスできます。数多くの専門的なレファレンスや鑑別診断例、臨床例、画像、解剖モジュールを提供しています。⊕ 一般的・複雑な診断例のコレクションが充実している
    ⊕ テキスト・画像・症例・ツールなどが合わせて提供されている
    ⊕ 米国のほぼ全ての放射線科研修医に利用されている
    ⊝ 高価である(研修医向け割引プログラムあり)
    ⊝ 解剖学に関するコンテンツは疾病・診断に関するコンテンツに比べてそれほど充実していない
    ⊝ 英語でのみ利用可能
  • e-Anatomy
    e-Anatomy はインタラクティブな人体解剖アトラスで、医用画像(CT、MRI、X線)、5,400の解剖学的構造、670,000以上の注釈、自学に役立つクイズ機能を提供しています。放射線科医や学生、医用画像の専門家から認められ、利用されています。⊕ 注釈を非表示にする機能により簡単なセルフテストが可能、画像はPNGファイルとしてエクスポート可能
    ⊕ 医学的観点からみて価値の高い画像を提供
    ⊕ 画像の質が良く、操作が簡単
    ⊕ 科学的なレファレンスを含む
    ⊝ 情報の複雑さと多さゆえ、操作が少々難しい
  • Imaging anatomy
    Imaging anatomy は、放射線科医・放射線技師向けの解剖画像に関する無料のウェブサイトです。⊕ 3DやMPR画像を利用したX線解剖モジュールを提供
    ⊕ ユーザーインターフェイスのカスタマイズが可能で、画像や注釈の表示に関するオプションが多い
    ⊕ 無料
    ⊝ 欠けている解剖学的部位、詳細注釈があり(頭部CT、MRIなど)、2017年以降アップデートされていない
    ⊝ 英語でのみ利用可能
    ⊝ ユーザーインターフェイスに改善の余地あり
  • Radiopaedia:
    Radiopaedia は放射線医学の教育リソースで、世界中の放射線科医・放射線科研修医から集められた情報を主に提供しています。⊕  無料
    ⊕ 科学的レファレンスを含む
    ⊕ 豊富な論文と症例を提供
    ⊝ 利用可能な解剖モジュールが少ない
    ⊝ 基本的な注釈は画像上に番号で示されており、対応する詳細情報を見るにはスクロールダウンする必要
    ⊝ 英語でのみ利用可能
    ⊝ ユーザーインターフェイスが簡素で、カスタマイズできない
  • Visible Body:
    Visible Body は教育的かつ医学的な3Dアプリケーションを提供しています。解剖学と人類生理学の学習を助けてくれます。⊕ 3Dを生かした質の高い医用画像
    ⊝ 医用画像の不足、クイズ機能に関するオプションが限られている、注釈は最小限のみ
    ⊝ 小さく複雑な解剖学的構造の3Dモデリングが不正確なことがあり、医療の専門家のニーズに合わない可能性

=> Visible Bodyは臨床的につくられた解剖学の参考書ではありません。また、現在の臨床実践に、解剖学、生理学の知見を丁寧に統合したものでもありません。長所としては、持ち運びのしやすさ、解剖学的構造と生理学的プロセスの特定のしやすさ、情報操作のしやすさが挙げられます。一般解剖学の理解・学習に役立つでしょう。

  • Anatomy.tv
    Anatomy.tv は医学的に正確かつ詳細な人体解剖の3Dレンダリングです。医用画像を元につくられました。3DのAR(拡張現実)機能も近頃利用できるようになりました。⊕ インタラクティブな3Dモデルを利用した学習ツール
    ⊝  医用画像コンテンツの少なさ
    ⊝ 小さく複雑な解剖学的構造の3Dモデリングが不正確なことがあり、医療の専門家のニーズに合わない可能性

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