患者のCDを開くのにとにかく時間がかかったということはありませんか?あるいは、デスクトップPCではなくタブレットでデータを読み込もうとして時間を無駄にしていませんか?自分のニーズに合った個人利用向けのDICOMビューアを見つければ、こうした時間の無駄をなくすことができます。
DICOMファイル、DICOM画像とは
DICOMとは、"Digital Imaging and Communications in Medicine"の略で、医用画像に関する国際規格です。DICOMファイルは、ヘッダと画像のデータセットで構成されていて、画像データはカプセル化されています。ヘッダの患者情報は、標準化されかつ一定の形式に沿ってまとめられています。JPEG、TIFFなどの他の画像ファイル形式と異なり、DICOMファイルはOS(Windows®、Mac)によって画像ファイルとして認識されません。DICOM画像をPC上で表示するには、ファイル情報を読み取って画像として表示してくれるDICOMビューアを使用する必要があります。
ここでは、オンラインDICOMビューアのみを選択しました。オンライン版なら、忙しい医療従事者の方でもコンピューターにデスクトップ版DICOMビューアをインストールする時間を取られることなく利用できるためです。医師の方が職場外でDICOMファイルを閲覧したいときにも便利です。この記事で紹介するサービスの中には、ユーザー登録が必要ないものもあります。しかし、各サイトのプライバシーポリシーを入念に確認することを強くお勧めします。
結果をチェックしてみましょう。
- 機能:DICOM Libraryは無料のオンラインサービスで、DICOMファイルを共有、ブラウズ、分析するための様々な機能を備えています。DICOM Libraryは多くのDICOMモダリティとPACSをサポートしています。また、患者に関連する情報を削除することもできます。
- 特徴:際立った機能としては、マルチレイアウト、ズーム、パン、ウィンドウ機能、拡大、測定、書き込み、そしてタッチパネルとの互換性が挙げられます。症例の共有も簡単で、多言語での技術サポートも利用可能です。
⚠ 私的なPACSに画像をアップロード(プライバシーは保証されません)
⚠ フォルダごとロードすることはできません
特に適していること:
- DICOM画像の匿名での共有
- DICOM画像がウェブサイト、ブログ、フォーラムに埋め込まれている場合
- 機能:完全無料のオンラインDICOMビューアです。インターフェイスは非常にユーザーフレンドリーで、ドラッグ&ドロップでファイルを開くことができます。多くのDICOMモダリティとPACSをサポートしており、スクロール、画像・MPR(多断面再構成像)操作のためのツールが用意されています。IMAIOSはユーザー参加型臨床症例データベース(e-Cases)も提供しており、教育ツールとして理想的なものになっています。
- 特徴:登録が不要で、アップロードしたファイルはIMAIOSサーバーに送信されません(セキュリティが保証されています)。画像のスクロールは非常に滑らかです。ドラッグ&ドロップや画像の操作(ズーム、スクロール、ウィンドウ機能、測定)など幅広い機能を備えています。
⚠ 患者の症例を作成することはできません
特に適している方:
- 医学生、医師、放射線医
- 研究者
- 機能:Post DICOMはオンライン放射線画像・DICOM共有サービスです。容量50GBのクラウドを提供しており、そこでDICOMファイルのアップロード、整理、共有などをすることができます。パワフルなDICOMビューアが一緒になっています。
- 特徴:ファイルの整理、患者の名前・IDナンバー、症例ナンバーから検索などの機能があります。ウィンドウ機能、ズーム、回転、スクロールなどの様々な表示機能を備えています。DICOMファイルは匿名化できます。
⚠ 登録が必要
特に適している方:
- 医学生、医師、放射線科医
- 研究者
- 特徴:放射線科医用オンラインDICOMビューア&レポジトリです。放射線医学的にカテゴリー分けされた大きなDICOM画像ライブラリがあります。
- 他との違い:画像上に点と矢印を追加できる豊富な症例ライブラリがあります。
⚠ 画像のスクロール不可。滑らかに動きません
特に適していること:
- 教育目的での利用
- 特徴:FViewerはオンラインファイルビューアで、様々なファイル拡張子に対応しています。シンプルながらパワフルなDICOMビューアで、豊富な表示オプション、さまざまな画像フォーマットのサポートの他、他にはない便利な機能を備えています。例えば、タブを切り替えることで異なる画像を閲覧できるタブブラウザのような機能があります。
- 特徴:ドラッグ&ドロップ機能、ローカルのDICOMファイルのアップロード、リモートURLの閲覧が特徴として挙げられます。。画像を編集・操作するツールが優れています。
⚠ 画像のスクロールはできません。専門的使用には大きな制限があります
特に適していること:
- シンプルな利用
- 教育目的での利用や、DICOM画像を手短に閲覧したい場合
以上、ウェブベースのDICOMビューアベスト5をご紹介しました。ここからは、ご自身のニーズを見極めつつビューアを吟味してみてください。
- 特に重視する機能はどれですか?
- あまり必要のない機能はどれですか?
- 現在のワークフローを考えたとき、一番ぴったりなビューアはどれですか?
私たちIMAIOSは、医療・獣医療従事者の方々を支えること、知識・技能を磨くお手伝いをすることを使命としています。この記事を通じて、日常業務がはかどるような有用な情報をお伝えできれば嬉しく思います。
比較表-DICOMビューア
DICOM Library | IMAIOS DICOM viewer | Post DICOM | Voxelx | FViewer | |
登録不要 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | |
無料 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
健康情報のプライバシー保護(外部サーバーへの画像アップロードなし | ✓ | ✓ | |||
ローカルファイル/ZIPファイルのロード | ✓ | ✓ | |||
URLからのロード | ✓ | ✓ | |||
Dropboxからのロード | ✓ | ||||
ウィンドウ(コントラスト)機能 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
画像のスクロール | ✓ | ✓ | ✓ | ||
MPR | ✓ | ✓ | |||
測定 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
CE/FDA認証 |